「! ちょっと待て」
「なんじゃ?」

 白銀はディスプレイに映し出された文字を凝視した。

「その名前に変わったのは2000年以上前だぞ……」

「なにっ!?」

 ナナンは、ガバッ! と端末に張り付いて文字を追う。

「……あやつは本当に何歳なんじゃ?」
「知らない方がいい気がする」


<あいつに会ったのか>
「あいつを知ってたのか」

 修理の済んだ宇宙船で、次の惑星を目指す白銀は仲介屋と通信を交わす。

<すまんな、ある程度は秘密にしておかないといけない事柄なんでね。あいつがそう言ったんなら、あんたたちには何も隠す必要はなくなった訳だ>

 ディスプレイに映し出されている3つ目の男がニヤリと笑った。

「あいつは何歳なんだ?」
<それはオレも知らないよ>

「そうか……」

 白銀は小さく溜息を漏らす。

<ウワサじゃあ、地球の宇宙開拓以前から生きてるって話だがね>