「引き上げよう」

 白銀がみんなを小型艇に促す。出来れば警察関係とは関わりたくない。

 ベリルは乗ってきた反重力バイクにまたがり、小型艇の後部を確認して追いかける。

<かつては仲間だったんだかな……>
「!」

 ヘッドセットから、ベリルの小さな声が白銀の耳に響いた。

 足を踏み外した仲間を、彼はどんな気持ちで捕らえたのだろうか……白銀は目を細めた。

「ねえ~今いくつなの?」
「気にするような性格でもないよね」

 エイルクとディランはヘッドセットを装着し、ベリルを問い詰める。

<何故そんなに知りたがる……>
「わしも知りたい」
「お師さま……」

 困ったような声のベリルに、白銀はクスッと笑った。彼の、そんな様子は初めて見た気がする。

<お前たちが想像するような歳ではないぞ……>