「シルヴェスタ」
「!」

 呼ばれて振り返る。工場内を見て回っていた白銀に、ベリルが何かを投げつけた。

 それを上手く受け取ると、手の中にある物体に目を通す。

「なんだこれは?」
「そいつが追われている理由だよ」

「!」

 言われて再び見つめる。手にすっぽりと収まるサイズ。長方形で鈍い銀色をしていた。

「そいつが完成し、設計図を破棄して逃げてきた」

「! あんたもそこにいたって事か?」
「正確には捕まっていた」

 私は別の理由でね。と、ベリルは付け加えた。

「奴らは『死の商人』だ」
「! じゃあこれは……」

「そいつ1つでお前の船は木っ端微塵になる」

「!?」

 白銀は驚いて物体と自分の船を交互に見た。