「見たところ、おぬしにはエナジー・ブレインとしての能力は無いようだが」

「うむ。その通りだ」
「追われている事と関係あるのか?」

 白銀が、相手の反応を確かめるようにゆっくりと発した。

「……」

 ベリルは少し視線を外し、目を細める。

「話さないつもりなら宇宙に放り出す」
「出来るのか?」

 しれっと問いかけるベリルに、白銀は「うぐっ」と声を詰まらせた。

 よほどの事じゃない限り、宇宙に人間を放り出す事が出来る者はいない。

「とりあえず! 追われているのはあんたで合ってるんだな?」

 白銀の質問に、ベリルは無言で頷いた。

「近くの惑星で降ろす。あとは勝手にしろ」

 白銀はそう言ってコクピットに向かった。その後ろ姿をベリルは無言で見送る。

「ふむ」

 ベリルは思案するように小さく唸った。