「どうだ?」

 操縦席に座っているディランに訊ねる白銀。ディランは苦い顔をした。

「レーザーケーブルのレベルは20。ちょいと難しいな」

「! いいモノ持ってるって事か」

 ディスプレイに映し出された相手の灰色の船を眺めて、再び喉の奥から舌打ちする。

 そして、レーザーの照準シートに乱暴に腰掛け目を閉じた。

「準備をしておけ」

 それを見たナナンがディランに指示する。

「……」

 眉間にしわを寄せ、白銀は集中した。

すると──

「! よし、飛ばすぞ!」

 固定されていたレーザーケーブルが消え、ディランはエンジン全開で飛ばした。

「!? なんだと!?」

 乗り込む準備をしていた男たちは、一目散に離れていった船を呆然と見送った。