「会いたいよ・・・」
――
「最終章っ・・・」
心臓を締め付けられる。吐きそうにもなった。ため息が多く漏れ、テンションが落ちる。
「あと少しで、うちも消えるってこと・・・か・・・」
胃の中で何かが渦巻いているような感覚に陥る。
『違う世界から現実にくることもまた、異世界トリップになる』
トリップについて調べた時に同時に出てきた言葉だ。もしかしたら、本当はこの世界が現実で、自分は違う世界からやってきたのではないか、とその時はつい考えてしまった。
普通なら異世界トリップに終わりなど無い。しかし、これは物語だ。それゆえに終わりがある。
嫌だ。
そんな思いがキャプテンの心臓を貫く。
やはり、大事なものが出来てしまうと、それを捨てなければならない時は、相当苦しいものだ。
不意に、無意識に行きたい所もないのに、外に出てすぐ近くの公園のベンチに座る。大して用も無いが、ただ、1人でぼうっとしていたかった。
どうしよう、もう時間も少ない。
解決策は無い。