「え?キャプテン知り合いなの?」
「いいなー♪」

―いいわけないって、ホントに。

キャプテンが言った所で周りに影響がない事は分かりきっていたので、あえて言わない事にする。

「夏休み、お祭り来てたよね」
「はい・・・まぁ」

コイツまで来ていたのか、とキャプテンは悪いほうの溜め息が出る。

「男の子と来てたよね。荒れた感じで・・・」

ケイラの事か、と思った次に高木が発した言葉は、キャプテンを激怒させる。

「なんか、人を虐めてそうな人だよね、君ってヤンキー系好きなの?」

虐めてそう、その言葉が頭を過ぎる。
― 虐め ―
小学生の頃の黒い記憶、周りで笑う男子の声が聞こえたような気がする。冷や汗が出て目を剥き出し、充血した目でキャプテンは高木を見た。歯を削るかと思えるくらい歯ぎしりを立てる。