学校の分かれ道まで来ると、キャプテンは手を振ってエリカと分かれる。
学校の門に入ると、そのまま教室まで歩く。自分の教室に入ると、何やら夏祭りで見たのに似た人だかり、もっと言えば女子の人だかりが出来ていた。
「なんやろ」
気になって行って見ると、中心にいるのはあの高木と言う先輩。キャプテンは白目をむいた。
(うーっわ、よりに寄って何故うちのクラスに)
ここで目が合ったらまずいと察し、キャプテンは足音を立てないようにそっと後退する。どうもキャプテンは高木が苦手なのだ。
ああいう人物に話しかけられると周りの視線も当然刺さる。目立つ事だけは避けようとしていた。(この学校に来た時でさえ息苦しくなったのだから、これ以上はキャプテンには耐え難いだろう)
(そっとやぞ。そーっと・・・)
全神経を尖らせていたのだが、うっかり誰かの足を踏んでしまった。
「あたっ、い、痛いですよ」
どうやらそれは、ジュマのやせ細った足のようだ。