「仕方ねぇよ。そいつの宿題ってか、出さなきゃいけないんだろ。」
「ギャァァァーー!そんな事言わんといてー!振られたこっちが余計に悔しくなるー」
「悔しくなるってお前・・・同性だろうが。」
「失礼な。友達としてってこと。」

キャプテンの言い方を聞いていると、そうは聞こえないような気がする。どう見ても振られた男のようだ。

「それで、そのショッキングな事はそれだけ?」
「以外にも・・・。他の人にあたっても誰もダメで・・・。で、絶望しとったらケイラが電話してきた。」

何で俺にはかけてくれなかったのか。
頬を膨らませて俺は機嫌を損ねる。

「そんだけ。」
「お前って意外とデリケートだな。」

そう言ってやると、キャプテンは溜め息をつきながら「うんうんうん」と呟くように言う。

「ところで・・・ケイラの方は何ゆえに電話を?」
「それは・・・ほら、今度夏祭りあるだろ。」
「あるね。」
「で、行く相手いねぇから、一緒にどうかなって・・・」
「はぁ・・・」

キャプテンが戸惑ったような声になる。
まさか断られるのか?
呼吸が荒くなり、腹が痛くなりかける。そうしながら、キャプテンの返事を待った。