もし調子に乗って誘った結果断られては大恥。

覚悟の上でキャプテンに電話することを試みる。しばらくして電話に出る音がし、一瞬鼓動が早くなるのを感じた。

中学生の頃、女と付き合ったことは何度かあったが、こういう感覚は初めてだ。

「・・・もしもし・・・」

キャプテンの声。だが、いつもの元気はまるで無く、気力の無いどんよりとした雨雲を思わせる声だった。
何かショッキングな事でもあったのだろうか。

「どうしたんだよ。」
「ああ・・・ケイラたんですか・・・。何の御用で・・・?」

俺はいつから「たん」付け男になったんだ?

口調も馴れ馴れしくない、本当にキャプテンらしくない言葉遣い、投げやりな話し方だった。

「どうしたんだよ、だから。」
「聞かんといて・・・。ショッキングなことがあったんや・・・本気で・・・」
「何がショッキングだったんだよ。」
「言いたくない・・・」
「言えよ、聞いてやるから。」
「はうー・・・それが・・・」

事情を聴くと、俺は「コイツはGLか」と突っ込みたくなる。
夏休み中にレポート提出があるくらい、頭のいい高校ならたくさんそういう宿題はあるだろう。