「まぁいい・・・レポートはエリカちゃんの宿題みたいなもんやし、邪魔する権利、うちにはないか・・・」
半ば泣き言を言うような口調になりながら、キャプテンは起き上がる。
「ジュマ・・・アイツはどうかな。」
急いで携帯を取り出して電話をかける。発信から十数秒後、声変わりしても柔らかい声が聞こえてきた。
「ジュマ、おる?」
「ああ、キャプテンさん、何ですか?」
「今度夏祭りあるやろ、それ、一緒に行かん?」
「あれ?いつも一緒にいる女の子は?」
「・・・ご用事。」
「あ、そうなんですか」
「それよりも、行ける?行けん?」
「・・・あー・・・。すみません、こちらも用事があって行けないんです。」
「あら・・・。うん、分かった。ありがとね。」
「ああ、はい、ごめんなさい。」
「いいよいいよ。」
気さくに話して電話を切るが、希望が1つ潰れてがっくりと肩を落とした。
「シュンリちゃんは・・・?」
仕事(まねしちゃいけない)があって来れないという事で断られそうな気がしたが、一呼吸おいて電話をかけた。
しかし、発信から1分ほど経っても彼女の声は聞こえない。
「何で?」
呟いていると、ピっと電話に出る音がした。一瞬話そうと大きく息を吸ったが、聞こえてきたのはこの声。
「おかけになった電話は、電源が切ってあるか、電波の届かない場所にいるため・・・」
(なっ・・・何ぃぃぃ!?)