都会の人間に言えばバカにされるような言葉だが、キャプテンは同感だった。
田舎のほうが自然豊かなのに、何故こんな都会に鳥が集まっているのかは、来た時から気になっていた事であった。
「ん~・・・。多分、ハトのおじさんがおるからやな。」
「ハトノオジサン?」
「うん。ハトにパンとかくれるおじさんって見かけーへん?」
「・・・ア、イルイル!」
「群がっとるやろ。」
コクコクとシュンリが首を縦に振る。
「餌、アゲサセテモラッタ。」
「マジで?面白かった?」
「可愛カッタシ、ソレニ・・・。」
シュンリは、まるで映画スターを夢見る幼稚園児のような目で言う。
「私モ、アアナレタライイノニ」
シュンリがいかに正直に言っているか分かるほど感情のこもった声だった。
―この子は動物愛護家か。
キャプテンはそう思うが、悪いようには思わない。
むしろいいのではないのかと思うくらいだ。
シュンリの声には、人を殺す仕事をしているとは思えないほどの優しい響きがする。
15分後だ。
「出来たー!!」
皿を持ち上げるようにしてキャプテンが歓喜の声を上げる。
シュンリはホイコーローにモヤシを入れるのは見たことが無いのか、目をパチクリとさせて皿を見る。