「他人だってことが…啓吾の光になるなら
私…私……勇樹と……別れて…」

言いかけた時だった。


「おまえ最低だな。」

啓吾が言った。


「え?」


「いや…ごめん…。
だけど…人を傷つけたり泣かせたりしたら
ダメなんだって……。
後で絶対…全部ふりかかってくる。
俺みたいに…
親のやったことが……
もう終わりっしょ俺……。
サッカーもできないし……
なまじ有名になったから…おもしろがって
今に噂にされるさ。

あいつって殺人者の息子らしいぞ って」



「啓吾…そんな言い方……」
私が言いかけたら


「俺は父親が殺人犯で・・・
母親はそれを苦にして子供をおいて自殺
後で後悔した殺人犯も
後を追うように自殺して……
残した子供は
人に迷惑をかけて成長した……。
何も知らずぬくぬくと……。」



「もうやめなよ啓吾…
おかあさんの手紙とか読んだの?」


「いや…どうせ言い訳ばっかだよ。
謝られたって言い訳言われたって
現実は何も変えれない……。
俺の夢も全部奪ったんだ。
サッカー選手になることも…朱奈のことも
今までの人生の全部も……。」


震える肩を抱きしめたいと思った。