しばらくそんなことが続いて
啓吾がすっかり有名人になった気がした。
プレゼントが増えだして
そのたびに啓吾は私にくれたりして
可愛いものが増えた。


「かあちゃん~~前田さんて知ってるか?」

啓吾が夕飯の時に口をひらいた。


「前田?」
ママはずっと考えこんで


「知らないわ。それがどうしたの?」


「なんか話かけられたんだ。
大きくなったね~立派になってね~とかって…」


「大きくなって……誰?
啓吾の小さい頃を知ってるって?」

ママの顔が不安げになってきた。


「俺の知らない人に知ってるって
言われんのってけっこう怖いよ。」


啓吾はそう言うと
残っていた味噌汁を一気に飲み干した。