私が後片付けをしてると
啓吾が戻ってきた。


「かあちゃん めっちゃ酔っ払って
初めて見たよ よっぽど
嬉しかったんだな。」

そう言うと洗った皿を拭いてくれた。


「うん……。
でもね…私も同じ気持ちだよ。
啓吾がいたから…道が開けたんだと思う。
ちっこい時 友達なんていらなかった
あのまま行ってたら
登校拒否して学校になんか行かなかった。
啓吾が眩しくて…うらやましくて…
啓吾の友達に遊んでもらったり
サッカー応援に行って啓吾のチームの
仲間の名前を覚えて…帰りの車の中で
三人で今日の試合の総評して帰って…
自分も啓吾と同じラインに立ちたいって…
そう思うようになった……。」


泡だらけの皿をお湯で流して
啓吾に渡した。


「最高の家族だよ。
啓吾は大切なおにいちゃん……。」


啓吾の手がとまった。


「だから……こんなこと
してたらダメなんだよね……
パパやママを悲しませることしちゃ…
うちら罰があたるよね……。」


私は次の皿を啓吾に渡した。


「大好きだよ……。
おにいちゃん……。
私の宝物なの………。」


泣きそうなのを我慢して
私は啓吾を見つめた。