「信也~~睦~~」

病院の玄関を出たとこで
パパとママの足だ止まった。


「あら~みっち~!!」


子供連れの夫婦が近づいてきた。



「ひさしぶりね~~。」



「ほんと~~何年ぶりだろ~」



「祥子と友之の子供を一緒に
病院に見に行ったっきりだよ~
なつかしいわ~~信也もすっかり
落ち着いて~~。」



話の矛先が怪しくなって
私は啓吾の手を引っ張った。


「先 車に乗ってるね。」


「あ…鍵ね……」
ママはホッとしたように私に鍵を渡した。



みっち~と言う人は
私と啓吾を見て首をかしげた。


「あれ…子供…?」



「あ…うん…そうよ~」



「ん?女の子…だったよね……。」



「朱奈 先行ってなさい。」
ママの声が厳しかった。


「行こう。啓吾……」


私は啓吾の手を強く握った。


友達に頭を軽く下げた。


「睦にソックリだね~~
目なんか落っこちそうで~~
信也も目おっきいからね~~」


私は慌ててその人に頭を下げて
啓吾を引っ張った。