私は人付き合いを好まない人間だった。
それは両親の事も関係してるんだろうけど、それ以前に人見知りだったんだと思う。
昔―中学までは何とかみんなと仲良く、明るく振舞っていたけど…
高校入りたての時にイジメにあってから、それもやめた。
人に気を遣って、作り笑顔で接したって…何の利益もない。
くだらない事はやめよう。
試しに、イジメの主犯だった女を殴ってみた。
女は簡単に吹っ飛ばされて、泣いた。
私は初めて、快感を覚えた。
抑えていた理性が切れて、狂ったように笑ったのを、微かに覚えてる。
その後、何もしてないのに殴られた、という女の言葉を信じた担任は、私を頭ごなしに叱った。
イジメにあってたのは私なのに。
担任は“イイコ”を演じている女どもを庇い続けた。
結局…みんな同じじゃん。
「綺麗事ばっか。何にも分かってないんだね、せんせーは」
私はそう吐き捨てて、高校を辞めた。
逃げたみたいでかっこ悪いけど、そんなのどーでもよかった。
友達はいたけど、それも表面上の付き合いだけ。
失うものなど、何一つなかった。
強いて言うなら、家ぐらい。