麗奈さんが私に目で合図する。
多分、合わせろって意味…。
「別に…いいんじゃないですかー?」
私は麗奈さんを無視し、そう答えた。
嘘付いて、愛想笑いしたくない。
思ったこと言って、何が悪いの?
「男も女も、人間ですからね。人の感情はどうにもならないと思うしー」
あぁ私、捻くれてるね。
麗奈さんはきょとんと目を見開いていた。
「そうだよねっ」
稔さんは目を輝かせて、私の手を握った。
「え…」
「いやーっ、君みたいな正直な子、初めてだよ!綺麗事だけじゃやっていけないもんねー」
これって…正解?
「そうですよっ!大体女に魅力がないから浮気されるんですよーっ」
「あはは、言うねぇ」
すっかり意気投合した私たちはこの後も…。
「いいねー桜ちゃん、面白いねっ」
「稔さんこそっ」
麗奈さんのことを忘れ、盛り上がっていた。