「みんな、そろそろ開くよ」
オーナーが外から声をかける。
もちろん優しい声で。
それを合図に先輩たちが出て行く。
「ほら、行くよ桜」
「はいっ」
なんか…緊張してきました。
桜井梓紗…頑張ります。
ホールには、既にたくさんのお客様が入っていた。
―――やっぱり人気があるんだ…白蝶。
さつきさんはもう席に着いていて、お客様と盛り上がっていた。
すごいなぁ、と見惚れていると…
「桜、仕事だよ」
後ろからオーナーに声を掛けられた。
「っ、はい」
私は小さく息を吐き、麗奈さんの席に向かう。
「ヘルプをさせて頂きます、桜ですっ!!」
笑顔で一礼する。
「あぁ、よろしく」