洗面所で歯を磨き、身なりを整えた。
自販で紙パックのジュースを買って、一気に飲み干す。
「おばちゃんありがとね!行ってきまーすっ」
「行ってらっしゃい」
看板娘の子猫を撫でてから、銭湯を出た。
時刻はまだ2時すぎ。
いっぱい買い物が出来そう。
近くのショッピングモールで服を物色。
流行の服を数着買って、トイレで着替える。
フードコートで軽くお腹を満たす。
―――さて、と。
私は、ロッカーへ足を進めた。
この大き目のロッカーが、家みたいなもの。
服とか貴重品が全て入っている。
貴重品っていっても、現金と通帳、印鑑ぐらい。
荷物を整理し、ロッカーの鍵を閉めて時計を見る。
「3時、40分」
―――そろそろ行こうかな。
閑散とした通りを小走りで過ぎる。
経験したことのない初仕事。