「…おしっこ」
トイレに起きた私は、両親を探した。
居間から光が漏れていたから、何も考えずその障子を開けたんだ。
一瞬、何が起きたか分からなかった。
目の前には天井と同じぐらいの高さに顔がある、
サングラスを掛け、闇のように真っ黒のスーツを身に纏った男。
訳が分からず、きょろきょろしてると台所に倒れこんでいるママを見つけた。
「ママ!!」
怖くてママに駆け寄り、叫んだ。
ママのお腹には何かが刺さっていて、そこから赤黒い液体が流れていた。
それが何なのか分からない幼い私は、ただひたすら白目を向いているママに声をかけ続けた。
もちろん、反応はない。
「…っパパ…」
一切身動きしないママも恐くなって、今度はパパを探す。
バタバタと走り回って探していると、男に捕まった。
「どうする?」
「面倒だ、殺しとけ」
「ぅわーっ、わー」
男の腕の中でもがいていると、
「やめろ!!!」
パパの声がした。