「今日から白蝶で働かせて頂きます、桜です!!よろしくお願いしまーすっっ」
天高らかに腕を振り上げ、満面の笑み。
白蝶最年少の私は、多分少し浮いていたはず。
九龍さん…オーナーにキスされてから3日後、私は初出勤を迎えた。
名は、桜井から桜。
私は今、オーナーから支給されたドレスを身に纏い、白蝶の真ん中に立っている。
ドレスとは、ショッキングピンクのショートドレス。
ティアードタイプでたくさんのフリルがついている可愛らしいデザイン。
目の前には、大勢の女。
隣には、オーナーと副店長の柏木 カシワギ さん。
威圧されるような空気の中、私の紹介が行われた。
“やるなら真面目に死ぬ気でやれ。本性は1ミリも見せんじゃねぇ”
それがオーナーからの言葉だった。
―――当たり前じゃない。
中途半端になんてやらない。
どーせやるんだったら、トップになってやる。