「お前、結構可愛いし、育てがいがありそうだ」
「あの…一体何の話を……?」
ポカンとしながら尋ねると、九龍さんはクスッと笑った。
「いいか、俺はこの黒蝶のオーナーでもあり、“白蝶―ホワイトバタフライ―”のオーナーでもある。お前は白蝶で働いてもらう」
「は…?」
「いわゆるキャバ嬢って奴だ、丁度人手も足りないとこだったし」
「私に…キャバ嬢になれと!?」
それはちょっと…冗談きつくないですか?
「拒否権はねぇけど……どうしても断るなら、身ぐるみ剥がすけど?」
にや…と妖美に笑う九龍さん。
「……っ」
どうやら…覚悟を決めるしかなさそうです。
「よ、よろしくお願いします…オーナー」
「ふっ…それでいい」
九龍さんは私と同じようにしゃがむと、壁に手を付いた。
「え」
「契約」
気が付くと、九龍さんとの距離はゼロになっていた。