バレると思ったが、いとも簡単にお店の中へ入れた。
…そんなに老けて見えるのかしら?
「いらっしゃいませ!!」
白いスーツを着た若い男が話しかけてきた。
「…九龍さん、お願いできる?」
目を合わせず、小さく呟くと
「…九龍、さん?」
男は一瞬顔をしかめ、怪しむように私を見た。
「失礼ですがお客様…―――」
「……え?」
九龍はいなかった。
…というか、客と直接相手をする事はないらしい。
「つまり…」
「はい!九龍さんは俺らの高みです!!」
店長(オーナー)ってこと。
「今日は用事があるとかでオーナーはいませんが…」
「…そう…じゃあ、また来ます」
「お待ちしております!!」
…オーナーって。
確かに仕事できますオーラぶっ放してたけど…
まさか頂点にいたとは。