詩織の背中を見ながらレイはずっと気になっていた事を聞いた。
「あの、隊長」
「何?」
「第一部隊は、私以外に隊員はいないんですよね?」
「ああ、レイだけだよ」
「なぜです?」
レイが聞くと詩織は頭を掻き、
「私は部下を持つほどの隊長ではないし、人を使うのはどうも苦手でね」
そんな事はない。守護隊第一部隊隊長を務めているのだから、隊長としての実力は本物。それに詩織の人柄もいいのだから部下は自然と付いて来るはず。レイのように。
部下を持たない理由はそれだけではない気がしたが、レイは別の事を聞いた。
「ではなぜ私を部下に?」
「んー。上からの命令ってのもあるけど、そろそろ一人が淋しくなって来たからね」
そう言った。淋しくなって来た。