「ありがとうお姉ちゃん。バイバイ」
そしてユウリは猫を抱き、母親とちゃんと手を繋いで帰って行った。
「よかったな、飼い主が見付かって」
「はい」
だが詩織の表情は少し淋しそうだった。本当は自分が飼ってあげたかったのかもしれない。
飼いたかったですか?と聞こうとした時、詩織が振り向いた。
「せっかく街に来たんだし、ちょっと寄り道して行こう」
「え?は、はい…」
別に構わないが、仕事をしなくていいのだろうか。レイの心配をよそに詩織は歩き出す。
レイもその後に付いて行くが、部屋に溜まっていた書類を思い出すとやはり帰ったほうがいいのではと思う。
ただでさえ第一部隊は隊員がレイしかいないのだから…。