その笑顔を見て詩織も微笑ましく笑ってる。
｢あの、この子の飼い主ってもう見付かりました？｣
母親の質問に首を振る。
｢よかったら、この子を引き取らせてもらえませんか？｣
｢本当ですか？｣
｢はい｣
母親はユウリの頭の上に手を置き、ユウリと同じ優しそうな笑顔を見せる。
｢ちょうど娘の誕生日に猫をプレゼントするって約束したので。それに、お互い仲良しになったみたいですから｣
母親の言う通りユウリは猫が気に入ったみたいで、猫もユウリの腕の中が心地好いのか大人しくしてる。
詩織は飼い主が見付かって安心したのか、笑顔を見せ屈んでユウリと目線を合わせる。
｢ユウリちゃん、この子の事よろしくね。お前も、ユウリちゃんと仲良くするんだぞ｣
詩織の言った事が分かったのか、猫はニャーと鳴いた。