そう言って猫に手を伸ばす。その人の怒りの顔を見てレイは、
「この猫も悪気があったわけでは…」
動物好きのレイは猫を庇う。飼い主がいそうにない猫が教会に入って来たりしたら処分されるだろう。まだ小さいし、それは可哀相だ。
けどその人はレイの言葉も聞かず、猫を抱き上げた。
そして、優しい笑顔を浮かべる。
「他の人に見付かったら怒られるところだぞ。良かったな、相手が私で」
「……」
猫の額を指で撫で、優しい笑顔を見せる。その笑顔を見た瞬間、レイの胸に温かい何かが流れた。
「あの…」
「詩織ー」
レイが名前を聞こうとした時、向こうから誰かが走って来た。
「夏季」
その人は振り返り、走って来た人の名前を呼ぶ。
「この猫も悪気があったわけでは…」
動物好きのレイは猫を庇う。飼い主がいそうにない猫が教会に入って来たりしたら処分されるだろう。まだ小さいし、それは可哀相だ。
けどその人はレイの言葉も聞かず、猫を抱き上げた。
そして、優しい笑顔を浮かべる。
「他の人に見付かったら怒られるところだぞ。良かったな、相手が私で」
「……」
猫の額を指で撫で、優しい笑顔を見せる。その笑顔を見た瞬間、レイの胸に温かい何かが流れた。
「あの…」
「詩織ー」
レイが名前を聞こうとした時、向こうから誰かが走って来た。
「夏季」
その人は振り返り、走って来た人の名前を呼ぶ。