守護隊詰め所の裏庭では、背の高い人が一匹の猫に弄ばれていた。
「待てー!生活出来なくなるー!」
必死に追いかけているが、すばしっこい猫に追い付く事が出来ない。
こっちに向かって走って来る猫の前に、レイはそっと屈んだ。
「駄目ですよ。それはあなたの物じゃない。あなたはこっち」
手を差し出し、持って来たお菓子を猫の前に置く。
猫はお腹が空いていたのか、財布を離しお菓子を食べる。まだ子猫だろうか、小さい。
と、そこで猫に遊ばれていた人が追い付いて来た。
「ありがとう、助かったよ」
背が高く、細身の体。黒のシャツにパンツと、ラフな格好をしたその人にレイは財布を渡した。
財布を受け取ったその人は、猫を睨みつける。
「全く、どこから入って来たんだ。仕方ない…」