「レイ!」
元帥が叫んだ瞬間、レイは背後から羽交い締めされてしまった。元帥に集中し過ぎて気配に気付かなかった。
「くっ!」
男の力は強く、振り払う事が出来ない。レイは力で対抗する事を諦め、剣の柄で男の腹を殴った。
「ぐふっ!」
ようやく男から逃れたレイは元帥を背にして男達に向く。
入り口には男が三人いて、その中のリーダーらしき体格のいい男が一歩前に出る。
「約束の日は明日だぞ?」
ヘラヘラ笑いながら言う。
レイは神経を集中しながら別の事を聞いた。
「教会に恨みでもあるんですか?」
「教会にはない。あるとすればこの国だ。この国で俺達は人として扱われない…まるでゴミと一緒だ」
やはり路地裏の者か…。ロザリの裏路地では犯罪が多発していると聞いたが、元帥を狙うとはいい度胸だ。