その日の深夜、真っ暗な闇に包まれた街をレイは一人歩く。
そして一本の路地裏に入った瞬間、その闇が暗さを増す。
犯人が置いていった地図で確認し、一つの廃ビルに辿り着いた。
辺りはしんと静まり返り、不気味さしかない。風の音が誰かの悲鳴のように聞こえる。
警官に、一人で行くから元帥の安全の為に絶対に付いて来ないで下さいと伝えたが、一応周りを見回し警官の姿がない事を確認した。
犯人が何人いて武器は何を持っているのか分からないが、元帥が誘拐されたのはレイの責任だ。
レイは一度深呼吸し、剣を握り直し中へと入って行った。