レイが目を覚まし、自分が今いる所はベッドの上だと気付いた瞬間、元帥の事を思い出し跳ね起きた。
「大丈夫ですか?」
声に振り向くと、昼間護衛を手伝ってくれた警官が心配そうに立っている。どうやら騒ぎを聞き付けたホテルの従業員が連絡してくれたらしい。
「元帥は!?」
まだ頭痛のする痛みに耐えレイが聞く。警官は顔を曇らせ、
「我々が来た時にはもういませんでした。そして…おそらく犯人が置いて行ったものかと…」
差し出されたのは小さな紙切れ。レイはそれを受け取り声に出して読む。
「教会が用意出来るだけの金を持って来い。三日後にこちらが指示した場所に持って来なければ女の命はない…」
紙にはご丁寧に場所の地図まで書いてあった。
最悪だ。私が付いていながら、元帥が誘拐されてしまった。