「萌?」

先生は私を見つめた。



「どうして、自分だけがやめようとするの?

私は卒業なんてどうでもいい!!

先生と一緒にいたいだけなの!!」




先生は泣きながら訴える私の様子を切なそうに見つめてから

静かに話し始めた。






「卒業をしないと
いつか必ず後悔する時が来る。

その時、もしも俺が側にいなかったら
きっと、二人で過ごした時間も否定しなければならなくなる。

俺達は何の為にここまできた?

学校を辞める位なら今までの辛さや苦しみは何だった?

俺はこの先何があっても二人で重ねた時間を否定したくないし
萌にもそうであってほしいと思う。   

だから萌に後悔をさせたくない」




次々に溢れ出す涙をそのままに

先生の胸にしがみついた。



そんな私に先生は腕をまわし

愛おしむ様に抱きしめ

泣いている私の髪をそっと撫でた。





・・・今の私たちには、
もう何の約束もできない・・・




それならば

今の私にできること・・・