「何している?やめろ!!」

先生は驚き慌てて私の手を押えた。





そして



「今は抱けない」





私から視線を逸らし一言だけ言った。





「ねぇ、どうして?

あの人は抱けて私はダメなの?
本当は私の事好きじゃないの?」



私の精一杯の言葉に

先生は唇を噛みしめながら自分の横で拳を握り

視線を逸らしたままで



何も答えなかった。





「どうして・・・?
 ヒドイよ・・・・」


弱々しく呟き



私は流れる涙をそのままに部屋を飛び出した。








・・・・抱けない・・・・





この言葉が頭を離れる事はなかった。