「それなら…
私が学校にバラすって言ったらどうする?
あなた達二人ともタダじゃ済まなくなるわよ?
でも、今すぐ別れて健太郎が私とよりを戻すと言うなら、誰にもしゃべらずにいてあげる・・・」
その人は含み笑いを浮かべながら話した。
「話したければ学校でも誰にでも話せばいいさ」
強気で答えた先生に
「健太郎、あなた本気でそんな事を言っているの?」
私にはその女性が焦っているように見えた。
「ああ、本気だよ」
何のためらいもなく言った先生の言葉に
何を言ってもダメだと悟ったその人は
今度は私に矛先を向けた。
「あなたはまだ健太郎しか知らないだけ。
卒業すればいくらでも良い出会いはあるのよ?
それに初めての人って、愛しているって思ってしまうものなの。
特に健太郎はベッドの中でも優しいでしょ?
あなたが勘違いをしてもしかたのないことよね」
「やめろ!!」
先生は大きな声を出した。
しかし、それを無視して
その女性は諭すように優しく
「私が素敵な人を紹介してあげるから健太郎と別れて。
私に健太郎を返して・・・・」
すがるように話を続けた。