帰りには
たまたま通りかかった縁結びで有名な神社に立ち寄った。
私たちは手を繋いで
境内に続く長い砂利道を歩き
参拝をした後で、お守りを見ていた。
「先生、このピンク色のお守りかわいいよ。水色もある」
顔を右へ左へと何度も往復させながら
「お揃いで買おう?」
先生を見上げて言った。
「俺も?」
少し驚くように返した先生。
私は目を輝かせながら見つめる。
「俺はいい」
そっけない返事に
「何で?かわいいのに・・・」
少しだけしょんぼりして見せた。
「萌、それ何のお守りかみたか?」
「えっ?」
手にとってみると“ 安産守”の文字が飛び込んできて
顔が一気に熱を帯びる。
「萌らしいっていえば萌らしいけど・・・
まぁ、今年は受験だし
真面目に合格祈願でも買っとけよ」
呆れるように笑う先生に
「いらない。
買わなくていい・・・」
横を向いて口を尖らせた。