「萌、部活はいつが休み?」
先生が本を読みながら何気なく聞いた。
「来週の火曜日」
視線はテレビに残したままで、
ゲームをしながら答えた。
「いつも室内ばかりだから、たまには青空の下を歩いてみるか?」
何気に言った先生の言葉は
私をゲームの世界から現実の世界に引き戻した。
「青空の下?
・・・ダメだよ。
誰かに見られたら困るし
それに平日は仕事でしょ?」
私は嬉しさを包み込んで、
平静を装って答えた。
「たまには休みを取って
人目を気にしなくても歩ける
どこか遠くに・・・」
先生は私の心を見透かすように続け
「うれしい」
私は先生の腕にしがみついた。