切り出したのは桂木先輩。
「萌の言っていた好きな人って直江先生か?」
「何を言って・・・」
桂木先輩は私の話を遮った。
「あいつはやめろ!先生だぞ」
「だから違うって」
笑いながら否定する顔は
明らかに引きつっているのが自分でも分かる。
「じゃあ誰だよ?答えてみろよ」
桂木先輩は責めるように私を問い詰め
「それは・・・」
私は何も言えず俯いた。
「付き合っているんだろ?」
「本当に何の事だか・・・」
ごまかす言葉が見つからない。
「本当に違うのか?
昨日の放課後、数学準備室で見ちゃったんだけど?」
私の顔は青ざめていった。