その後

一週間近く先生からの連絡はなく

授業以外で先生に会うことも
私から話しかけるチャンスもなく


誤解を解く事も出来なかった。





部活をしていても集中できず、
ミスばかりの私に顧問の先生はどなり続けていた。
 



あの日以来

私の近くには桂木先輩の姿があった。




放課後には

すでに部活を引退している桂木先輩が待っていて

「一緒に帰ろう」と誘い

昼休憩には

「話がしたい」と呼び出した。





その日も校門の前に桂木先輩が待っていて、
私の横を歩きだした。



その時

「先生さようなら」

女子生徒の声で振り返ると


そこには帰ろうとする
直江先生の姿。




あの日のように冷たい目を向ける先生は


私たちに

「まっすぐ帰れよ」

そっけなく一言だけ残して行ってしまった。






不意に私の目からポタポタと落ちてくる涙。


「ごめん。俺のせい?」

桂木先輩は慌てて私を見た。



「すみません。
本当はすごく好きな人がいます。
だから桂木先輩と付き合えません。

ごめんなさい・・・」


そう言って

桂木先輩の前から走り去った。