そこは校舎のすれすれまで木の枝が伸びていて、緑が茂り他からは見えづらい。



「どういうつもりですか?」


私が先輩にイライラをぶつけると


先輩は少し俯いて答えた。


「もう一度付き合いたい・・・」




「冗談じゃありません。
からかわないで下さい。

それに桂木先輩には安藤先輩がいるじゃないですか!」



「前の事は謝りたい。
俺が悪かった・・・・

安藤とは別れた。
やっぱり萌がいい」



ふいに先輩に抱きしめられた。



数か月前には安心していたその匂いが今は嫌でたまらず、

きつく突き放した。


「何なんですか?今さら・・・
それに、何をどう言われても信用できないしムリです!!」
 





1年生の時、桂木先輩に告白されて付き合っていた。

上手くいっていたはずなのに、付き合い始めて半年近く立ったころ

桂木先輩と安藤先輩が一緒にいる姿がたびたび目撃されるようになり、

そのうち二人の噂も立ち始め

結局、別れる事になった。