それからも
私たちは人目を避けるように
デートを重ねた。
会えない日には
機会越しに聞こえる先生の声で
眠りにつく。
けれど
数時間前に聞いていた
私だけに向けられた声も仕草も
目が覚めればみんなのもの。
なんか不思議・・・
でも
あの唇の熱も
腕の感触も
みんなは知らない。
私だけが知っている。
嬉しくて自然と笑顔がこぼれる。
二人の時間を過ごす様になってからは、
先生と私が授業中に話すことも
私の席に先生が近付くこともなくなった。
けれど、たまに温かい視線を感じることがあって
それだけで心は満たされていく。
学校では話はできないけれど
すれ違えば目と目で会話をするように
誰にも分らないように小さく微笑みあった。