次の日の数学の時間。
私はどんな顔をしていいのか分からずいるのに
いつもと変わらない様子で教壇に立った先生。
みんなに向かって話をする先生を見つめ
昨日の事を思い出して
優越感に浸り
うれしさを感じていた。
その日の授業はプリントが配られて、皆それに答えを書き込んでいった。
先生は鉛筆を走らせる音しかしない教室で
時には誰かの質問に答えながら
机と机の間をゆっくりと歩いてまわった。
先生が私の机に近づくのを感じ
私の鼓動は速くなる。
問題に全く集中出来ない。
でも一生懸命に考えるフリをした。
先生は私の机の横で立ち止まり、とても小さな紙切れを机に落とした。
・・・・昨日は眠れた?・・・・
一言だけ書いてあった。
私は先生を見上げて
小さく微笑んで頷いた。