それ以来
夢の中にいるような
浮足立つ気持ちの中を漂って、
私の中でどんどん大きくなる直江先生の存在と
先生の行動に期待が膨らんでいった。
でも
学校ですれ違っても挨拶しか出来なくて
授業はもちろん
以前と何も変わらない先生の姿を見るのは
寂しかった。
・・・少し近づいた気がしたのは
私だけ?・・・・
先生にとって私はただの生徒でしかないの?
日増しに募る思いと不安に押しつぶされそうになる。
“誰かに向ける言葉も仕草も
私だけのものになればいいのに”
なんて考えながら
先生をそっと見つめていた。