初めて乗る先生の車。
先生の横に座っていながらも距離を感じ
『密室』に高揚と戸惑いを覚え
何を話したのかさえ覚えていなかった。
レストランは車を30分ぐらい走らせたところにあり、
私は先生に続いて車を降りた。
入口を抜けテーブルを向い合せに座るが
なかなか顔を上げられず、
そんな私に
先生はさりげなくメニューを渡し
お勧めを教えてくれた。
私は迷うことなくそのメニューに決めて
それがテーブルに並ぶ頃には、
少しずつではあったが顔をあげて話せるようになっていた。
自分のこと
学校でのことなど話しながら
いつしか
この時間をただ楽しいと感じられるようになって、
帰りの時間が近づくことが
…ただ寂しかった。