その様子を注目していたみんなに
しばらく沈黙が続き
その中で誰かが声を上げた。
「そうだよね。
ただ好きになっただけ・・・
私、先生が萌の事を特別扱いしたのなんて見たことないし、
いいんじゃない?」
みんなはその言葉を聞いて
私を許すように
口々に謝る声や拍手が聞こえてきた。
私は頬を伝う涙を拭いて
「ありがとう。
みんなと一緒に卒業をさせて下さい」
もう一度頭を下げた。
その時
教室の前のドアが開いて
話が終わるのを待っていたように
「もういいか?」
と小西先生は入って来て
教壇に立っていた私の肩を
‘よくやったな’と励ますように
“ポンッ”と軽くたたき
私が席に着いたのを確認してHRを始めた。