「私も直江先生のことが好きだった・・・。

だから気づいてしまったの。

先生が優しい眼差しをしているその視線の先にはいつも萌の姿があった」



みんなの視線は高橋さんに移っていて

その中で高橋さんは更に続けた。



「本当はあの時知っていて
私は萌に“協力して”って言った。

萌は目にいっぱい涙を溜めて自分の気持ちを正直に話してくれた。

あの時の言葉も嬉しかったんだ。

萌も先生もみんなの事を考えると
きっと、私たちが思う以上に悩んで葛藤してきたと思う」



話している高橋さんの目からも涙がこぼれていた。



そして最後に付け加えた。


「先生も萌も本当は何も悪くない

だって、みんなが誰かを好きになるように、ただお互いを好きになっただけ・・・

今だってお互いを思っているのに会う事も話す事も出来ない。

もう充分じゃない?
私は二人の事を許して
認めてあげたい・・・」



高橋さんは言い終わると
両手で顔を覆い泣いた。