体育館に戻る途中 私は初めて授業以外で直江先生に声をかけた。 「先生、何しているんですか?」 こんな何気ない言葉が 私たちのすべての始まりだった。 「一緒にご飯でも食べようか?」 先生と生徒でよくあるような他愛ない世間話。 その中で 私の中の先生の存在は少しずつ でも確実に大きくなって 苦手な数学の授業が待ち遠しくなるくらい 先生に会いたくて もっと話をしたくて 先生を知りたいと思うようになっていた。