停学が明けたその日
普段通りに登校したが
噂が広まるのは本当に速くて
私と先生の事を知らない人はいないようだった。
私の姿を見かけると
ヒソヒソ話を始めたり
中には聞こえるように
大きな声で非難する人、中傷する人もいて
見方をしてくれる人は誰一人としていなかった。
冷たい視線を浴びながら俯き歩き
教室までたどり着いた。
教室に入った瞬間
ザワザワしていた教室は一斉に静まりかえり
視線は集中した。
そこでも反応はみんな同じで
白く冷たい視線を向けられ
挨拶をしてくれる人なんていなかった。
でも、そこにはいつもと変わらないマユの姿もあった。
「おはよう」
こんな当たり前の朝の挨拶が
こんなにも温かいものだったなんて初めて知った。