体育が終わったのと
同時に国語も終わって、
私は尚斗を目で追い続けていた。


「愛子!もう見ちゃだめだよ!」


あかりが私の目を抑えた。


「や!離して!」


あかりの手を振り解いた
瞬間に見えたのは
恵梨菜が尚斗に
タオルを渡している
ところだった。


「……………。」


タオルをもらった尚斗は
笑顔でいた。


その、笑顔は私だけのもの
だと思っていたのに。


「あいこ、大丈夫…?」


めいとあかりは心配
してくれた。


「ありがとっ!大丈夫!」


必死に強がるフリをした。

けど、やっぱりあかりは
見抜いていた。


「無理しないでね」


あかりの言葉が胸に響いた。

だけど、この恋愛は無理しなきゃ
やっていけない。