あたしも笑いながらお弁当の包みを開いた。
ぎゃいぎゃい騒ぐ二人をよそ目にあたし、大問題発見。
「やっちゃったぁぁぁぁ!」
「んな、なんや?びっくりす「忘れたッ!」
和くんの言葉を割ってまで重要な忘れ物をしちゃいました。
色気より食い気なあたしのミス…!!
「どしたの?」
「お、お箸忘れちゃった…」
「そんなことかいな…びびってもーたわ。ただでさえ美樹にビビッてんのに」
腕組みをして威張る和君にチョップをかます美樹ちゃん。
「私の、使う?」
「美樹ちゃんが食べられなくなるし、いいよッ」
顔の前で両手を振るあたしに美樹ちゃんはため息。
和君はチョップされたとこをさすりながらニコリ。
「俺、職員室でもろて来たろか?」
「んーんッ。あたし、取ってくる!先食べててッ」
言うだけ言って嵐のように去るあたし。
職員室か、いいこと言うね和君も。
…にしても、お箸を忘れるなんてどんくさ。次から気をつけなきゃ…。
職員室に足を向けて、そそくさと歩いていく。